前回の第3講では、医務室の核となる「配置医(嘱託医)との往診ルール」や、不要な救急搬送を防ぐ「包括的指示」の重要性について解説しました。
配置医との連携の土台ができたら、次はいよいよ「協力医療機関との連携体制の強化」と、迫る2027年4月の義務化への対応です。
特別養護老人ホーム(特養)の施設長や主任・リーダー看護師を対象に、施本記事では、協力医療機関や専門医(歯科・精神科等)との契約整理、入院時看護サマリーの効率化、そしてスムーズな入退院フローの再構築について解説します。
1. 2027年義務化へ向けて!専門医・協力医療機関との契約整理
特養の運営において、配置医の先生のほかに、協力病院(入院受け入れ)、歯科医師、精神科医、皮膚科医など、多くの医療専門職が関わっています。
しかし現場では、
- 「どの専門医が、どの曜日にどのような頻度で来ているか」がスタッフ間で把握しきれていない
- 外来受診の付き添いで看護師のマンパワーが常に奪われている
といった課題がよく見られます。 外来受診の負担を減らすために専門医の契約・連絡体制をもう一度見直すことやオンライン診療(ドクターメイト等)や施設内での往診への切り替えを検討することが、看護師の負担軽減とミスの防止に直結します。
ドクターメイトさん使っている方多いです★
https://doctormate.co.jp/service-2
2. 負担の大きい「入院時看護サマリー」をテンプレート化する
利用者が急変して病院に入院する際、または退院して施設に戻ってくる際、現場の看護師が最も頭を悩ませるのが「看護サマリー(情報提供書)の作成」です。
- 入院のたびにゼロから書類を作っており、作成に時間がかかる
- 薬剤情報や排泄状況、食事の摂取状況など、病院が本当に知りたい情報が漏れてしまう
この負担を解消するためには、サマリーの「テンプレート化(フォーマットの固定)」が不可欠です。 利用者の基本情報、家族の連絡先、直近のバイタルや生活機能だけでなく、薬の投与状況やアレルギー、直前までの食事・排泄の経過などを「誰が書いても同じクオリティで速やかに出せる状態」にしておくことで、病院の医療ソーシャルワーカーや窓口担当者との連携が驚くほどスムーズになります。
3. 相談員・ケアマネジャーと看護師の「役割分担」
入院や退院のカンファレンス、病院窓口とのやり取りは、看護師だけで抱え込んでいないでしょうか?
病院側の窓口や事務担当者との連絡調整、退院前カンファレンスの日程調整などは、生活相談員やケアマネジャーと役割を明確に切り分けることが重要です。 「看護師が同席できない場合は、相談員がどの点に注意して情報を持ち帰るか」といった社内ルール(タスク分担)をあらかじめ決めておくことで、多職種チームとして隙のない受け入れが可能になります。
4. 歯科・リハビリ・外部専門職との定期連携を活かす
医療連携は「医師・病院」だけではありません。 特に特養においては、誤嚥性肺炎を防ぐための歯科医師・歯科衛生士による口腔ケア(嚥下指導)や、リハビリスタッフとの定期的な情報共有が、利用者の生活機能を維持・向上させる上で極めて重要です。
これらを単発の依頼で終わらせず、定期的なスケジュールに組み込み、日々の介護ケアへフィードバックする仕組みを作ることが、施設の強み(質の高いケア)を生み出します。
【ご案内】2027年義務化に向けた体制づくりは『特養施設医療体制 業務改善コース』で
「協力医療機関との連携ルールをどう見直せばいいか分からない」 「看護サマリーや入退院のフローが属人化しており、スタッフの負担になっている」
2027年4月の制度義務化や実地指導に万全の備えをし、現場を疲弊させずに医療連携を強化するための具体的なツールとして、特別養護老人ホームの施設長や主任・リーダー看護師を対象にした『特養施設医療体制 業務改善コース(特別養護老人ホーム業務改善パック)』をご用意しています。
本コースでは、今回ご紹介した「看護サマリーの効率化」や「協力医療機関・専門医との連携ルール」を、現場のスタッフが動画と実践的なテンプレートで学べるパッケージとして提供しています。
また、自施設だけでは改善が進まない課題について、株式会社ONMUSUBIによる直接の伴走サポート(コンサルティング)も承っております。
次回(第5講)は、いよいよ最終回として、これまでの仕組みを現場に定着させ、スタッフの離職を防ぎながら選ばれる施設を作るための総まとめをお届けします。
▼ 2027年義務化に向けた協力医療機関との連携強化・サマリー見直しに
- 『特養施設医療体制 業務改善コース』の詳細・お申し込みはこちら:https://college.coeteco.jp/bundles/70Qgsb28
- ONMUSUBIへのお問い合わせ・無料相談はこちら :https://forms.gle/h2Uqo87VRyuvaM7v7
記事執筆者プロフィール
眞鍋 哲子(まなべ てつこ) 株式会社ONMUSUBI 代表取締役 / 看護師・介護支援専門員 看護師経験33年、うち高齢者施設看護に23年間従事(社会福祉法人での看護介護統括、主任看護師等を歴任)。産業医科大学 産業保健学部 非常勤講師(老年看護学)として15年以上教鞭をとるほか、福岡県「喀痰吸引等研修 講師養成課程」講師を務める。50床の特養にて年間延べ1,073日の入院を49日へ削減した実績をもとに、全国の高齢者施設に向けた医療・介護連携コンサルティング、研修、デジタル教育プログラム『施設医療アカデミー』を展開している。

