【白血病の方のお看取り】

最後は大好きなお風呂に入れてよかった

Aさん、今年に入り普通に定期採血をした時、白血球が2000台に下がっていることがわかり精密検査をして急性骨髄性白血病だと診断。

あと12カ月の命だと言われましたが6カ月養護老人ホームで頑張り命をまっとうしました。

診断を受けた時高齢であり治療も難しく。

まだ症状もなく自分の好きなように過ごして欲しいとご家族も望まれ在宅(施設)看取り開始しました。

養護老人ホームとはいえ在宅になります。

施設長、相談員、医師、看護師(ヨゼフ医務室)、支援員、居宅ケアマネ、訪問介護、歯科医、歯科衛生士、薬剤師、デイスタッフ、福祉用具、訪問入浴ご家族。

チームで行いました。

途中、血小板が減少し内出血が増え、どうして?と何度も納得いかず説明。

倦怠感や下肢の浮腫や痛みの出現もあり、本人へ明確にしないと不安になると告知。

先生も何度も何度も毎週向かい合ってくださいました。

心の揺れと身体の変化に向かい合う看護師やスタッフ。

難聴のため筆談で説明。

医師はその場その場で丁寧に話し合いながら毎週ご本人の目線に合わせ診察お話しし、薬の調整を細かにしてくださいました。

痛みが出してからは非オピオイドは効かず、医療用麻薬フェントステープの使用へ切り替え、倦怠感にはベタメタゾン投与。吐き気には内服より途中坐薬へ変更。

便秘はピコスルファートの使用。症状に対する薬の使用も細かく調整、その都度薬剤師の吉村先生も飛んできてくださり大変お世話になりました。

食事も食べたくない。

でも今これが食べたいというものをすぐに相談員が調達。

ピザ、焼き芋、サイダー、果物類は比較的お口に入り。

もともと通販(メルシー)がすきで本を見たりアルバムを見たり。

訪問介護スタッフもその都度の変化に対応し報告。丁寧な対応。

口腔ケアはあすか歯科さん。いつも看取り時は必ずお世話になります。

トイレに行けなくなった時オムツが嫌だと言う感じではあったが足が痛くて動けず、パッドもその都度交換。

ケアの決定の確認を支援員より話があり、ご本人の状態に合わせて決定していく。

本人が自分で訴えたりどうにか体動できる時は体位変換は相談し合いながら、ポジショニンググローブでの圧抜きと衣類のシワ伸ばし、マッサージ依頼。

ケープさん写真

歩けなくなり、車椅子は数日。その後寝たきり固めの褥瘡予防マットへ変更。

お風呂が本当に好きな方だったので入らせてあげたいと、居宅ケアマネと話、訪問入浴利用へ

熱があったら?出血したら?別に本人が入りたいといえばオッケーとサインを出す。

亡くなるのを恐れるより、ご本人のしたいこと好きなこと優先で!

覚悟を決め背中を押すのはわたしの役目。

土曜日、気持ちよくお風呂入れました。

月曜日命を最後に

今日、養護の責任者や支援員に話しました。

当たり前にチームでやってきたけど、施設で最後まで細かなケアを提供しながらチームで看取れたことは誇りだと。

医療用麻薬さえもまだ施設では管理できないと言われるところもあり

熱心に当たり前にされるケアがまだまだスタンダードではない。

それぞれの役割分担チームケア

舵取りは居宅ケアマネであり、多職種話し合いながら医療の覚悟はこちらが持ち、ケアが安心してできるようにやっていく。

Aさんのおかげで、とてもいい思い出をそして学びをいただきました。

【延期になりましたPLS看取り&食支援セミナー】

一緒に看取りの食事支援について学び語り合いませんか?

2023年2月19日(日)開催!!
13:30〜16:30
小倉神理会館にて★

食を通して人生最期まで自分らしくを叶える「サポートが出来る街づくり」北九州より日本全体へ発信!!

全国で有名な牧野日和先生とわたくし眞鍋がいろんな看取りの食支援について事例を出していき、二部では参加者で交流、意見交換!!

参加対象者は一般の方、医療従事者、介護や福祉関係の方どなたでも!!

①リアルで現場参加↓申し込み

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②動画発信オンデマンド一ヶ月↓申し込み

https://ochimizuyousuke.stores.jp/items/639c8b736b87c326b2aaaea3

動画発信オンデマンドは、
日和先生の最新の!特別な話も追加であります!!

皆さんで人生会議しましょう❤️

職場での看取り動画研修★その方を見つめるケアとは?

令和2年度の後期の看取り研修はコロナ禍で動画研修へ★

Slackコミュニケーションツールを用いた職場での動画研修が定番になってきました(笑)パワーポイントを作り、動画撮影をテイク8回目でようやく完成!!

特養でお看取りの研修は年間2回以上実施しなければなりません。

内容をどうしようかと悩んだのですが、コロナ禍でお看取りをしながら聖ヨゼフの園の看取りの歴史で原点に戻り。
看護師や栄養士とも話しあい、日々のケアの中での課題や個々を見つめたケアの充実をより一層するために事例をたくさんいれることにしました(^○^)

新しいスタッフも今年度は増えたので、今いらっしゃるご利用者様に視点を。出会った時から今の日々のケアが大事なこと。

お看取りの同意を得ながらも復活された方々の事例や今難病を抱えている方、病院で認知症で余命1週間と言われ今なおヨゼフで復活されている方。

[病気をしっかり捉えて支援をする。日々向かい合うことが大切ーー!!環境を整える大切な介護のお仕事♡]

【老衰】って何だろう?
最後の一瞬に好きなものを提供するのではなく、日々その方にとっての食の提供のあり方は?
環境を整える大切な私たちの役割★

[老衰で食べられなくなって、命の話をご家族にお話をした後、シュウマイが食べたいと言われたYさん。毎日毎食シュウマイ2〜3個ずつしか食べられず、命が消えつつあったのですが、シュウマイパワーで見事復活!!食事をしっかり食べられるようになり、車椅子も自走されておられます^_^]

また、食についこだわってしまうのですが、食べるのに興味がなく苦痛を味わったりする方も中にはいらっしゃる。

私が大好きなベストセラー作家の池田貴将さん。以前私に気づきをくださいました。
「真鍋さん僕は食に興味がなく、本が好きなんです。食べることで長らえる命があっても、最後は命が短くてもいい。本が側にあればいいと思っています」

[実際に池田さんとお話ししている写真★池田さんからの学びは人それぞれを見つめるキッカケになりました(^ ^)感謝です!]

その方にとっての生きるとは?
人それぞれなんですよね。食だけでない(笑)

昨年の末お亡くなりになったご利用者様。娘さんに食べられなくなっている現場を電話でお伝えする時に、つい何かお好きな食べ物はないかとお聞きしました。

その答えは、
昔から日々を卒なく規則正しく生きてきた母。食べ物に趣はありません。また着る物や旅行等娯楽にも興味を示す母ではございませんでした。
コロナ禍で職業柄中々面会に行けませんが、ヨゼフさんに入所前にキチンと母と向かい合い、身辺整理や気持ちの整理もしてまいりました。もうすぐ天に召されることを母は理解していると思います。そのままのヨゼフの皆さんのケアのあり方で十分感謝していると思います、ありがとうございますと。

じつは、友人の看護師のご紹介で繋がった縁でした。

今年度も施設の中で見送った命と、復活した命、日々お元気に過ごされている方々のたくさんの命と向かい合って日々私たちは過ごしています。
その命に感謝して、またその人らしさとは何かを問いながら、ワンチームとして支援していこうと心新たに思った時間でした♡

皆さんは最後の時間はどのように過ごしたいですか?

【施設在宅で今出来ることは何か?命を救い支える】

今、一瞬一瞬を活きる支援を私たちはするために存在している。

軽い肺炎で入院していたSさん
入院先の医師よりよくなったけど、認知症でご飯食べられないっ一週間の命って、ご家族に伝えられました。

施設看護師である私にも医師は「病院での認知症による看取りだから仕方がない」と言われ。
入院する時、元気に話していたのに諦めきれない。施設に帰ったら食べられるようになった方もいる。
医師に、「家族が望めば連れて帰って良いでしょうか?」
医師に行ったら無理だと言われた。

ご家族に電話し心境をお聞きする。
「父に会いに行ったら意識がもうろうとして、後一週間と言われても理解できる状態だった。亡くなる命なら施設に連れて帰って欲しい」強く願われ言われた。

翌日、医師に連絡相談。
「先生ご家族も私たち施設側も同じ気持ちです。食べられないでも施設に連れて帰りたいです。施設での看取りをお願いします」
あっさり退院許可が出た。

病院に相談員と一緒に迎えに行く。Aさん帰りますよと相談員が声かけると、Aさん覚醒して、「迎えにきてくれたのか?ありがとう」って泣いて

驚いた!!よくお話しするAさんに相談員と一緒に私も泣いた。

医師も驚きこれはヨゼフに帰ると元気になるか?と。

帰った後もスタッフで拍手✨
家族もえっ?昨日死にそうだったのに?と。

施設に帰り皆んなで拍手!!ご本人「ありがとう」と何度も帰れて嬉しいと。

しかーし。次の問題。
入れ歯があわず❗️
なぜか?病院に問い合わせ。
とろみ食食べてたから入れ歯していないからわからないと。

歯科医のスーパーマン戸畑あすか歯科の濱口先生に電話。
すぐ来て診ていただきフードテスト。入れ歯してもしなくても、これは危険だ。頭抱える。
入れ歯作り直すのに一ヶ月❗️
先生考え、「んー明日一日で今の義歯を加工しどうにかします」

私つい小声で「先生?歯科医は普通入れ歯を技工士ではないので作り直すことできませんよね」と問う。
「五島の離島にいた時にせざるえなくて全部してました」
納得!!すごーい!!感動!!

「わしの命は任せた」とAさんが先生に言い握手

Aさんと濱口先生の固い握手(笑)命を任せたと。

翌日、義歯を技工していただき。
無事に、Aさん自分の手でご飯食べはじめました

あのまま病院にいたら意識朦朧として、入れ歯もしないと食べられるはずもない口の状態。きっと亡くなっていた。

今までも沢山あります。
病院は疾患(病気)を治す場所です。
必要な時は入院。
しかし、その方によっては環境の変化で認知症状が出たり意欲が低下することもある(今回はせん妄ですねきっと)

病気は治ったが食事がとれない、または治療が不可能でこれ以上難しいと判断された場合、連れて帰れる状態なら連れて帰って欲しい。

うちの看護スタッフのお母様も末期癌で連れて帰り今年、在宅看取りをしました。
別の介護職のお母様も今回、末期癌でコロナ禍で会えないのは辛いと、病院の先生に連れて帰りますと言い在宅で見ています。介護休暇を上手くくれる職場もありがたい。

帰れる環境であるというのが一番幸せ。

私たち在宅、施設がそういう体制でいることは、チームでなければいけません。
今、一瞬一瞬を活きる支援を私たちはするために存在していること。
忘れてはいけない。

看護師である私が動いたから帰れたのだと皆んなからありがとうと言われるけども、ご家族や施設スタッフが同じ気持ちでAさんを施設に連れて帰りたい、そして諦めたくないと願ったからです。

また、歯科医の濱口先生に電話したら30分もかからず速攻来てくれて、
翌日数時間かけて義歯を加工し食べられる形にしてくれたこと。
先生がいなければ食べられてなかったし命もどうなってたか分からなかった。(義歯に名前を入れてくださいました)

ワンチーム✨

病院に対して批判するというよりも、私も病院につとめてたら同じことしていたかもしれません。

病院にいたら可能性を探れない、環境に限界がある。
だから、施設で在宅でここまでできますという提案がもっと出来る方が増えるといいですね。

これはきっとウチだけではなく、在宅支援ではあるある話です