末期ガンのAさん。
ご家族と話をして、痛み苦しみがなければここでと希望され、ご本人も一度入院したが帰りたいと戻ってこられました。
いつも施設長と相談員が丁寧に心をくみ取りながら、家族支援をしてくださいます。
数週間前、夜間、39度代になり、酸素が80%代とナースオンコール(施設は介護職員しか夜勤をしていないので、看護師は電話で対応判断)あり。
駆けつけて、肺炎が気になるので、肺の音もしっかり聴く。肺音はきれいで、全身問題なく、腫瘍熱か?脱水熱か?
しかし発熱中でも、「あんか」は生活の習慣で外すのは嫌、アイスノンは冷たいのでせんでいい(冷やすのも本人が気持ちいいかどうかの判断なので意味がないし)ご本人がいいように過ごすのがよい。
あんか足元におきますね。
介護職員(支援員)と
布団で熱がこもるので、寝具を一度とって熱を逃し、身体を整えてまた、寝具をかぶせる。
あらかじめの解熱鎮痛剤カロナールの指示あるので、服用するか本人に確認。「うん飲むよ」わかったと。水分は飲みたいというので、冷えたポカリスエットで介助使用し様子見る。
しばらく手を握り落ち着いたかなと思ったら、「トイレにいく」っと、フラフラするので体重は軽く支えながら、ベッドサイドのポータブルに座り、用を足す。スッキリした。
そして、またベッドへ。
落ち着いた時に、
「来てくれてありがとね。もういいよ、お帰り」夜中の2時ぐらい。
朝また来ますねと私。
酸素は低くてもする方が苦痛なので、しない。
あらかじめ医師には、きつくなければと酸素はしなくてもよいと確認済み。
医師には先に包括的指示をもらっている。
介護職員(支援員)も不安なので、一つ一つ説明。私たちは、職員のためにもしっかり駆けつける意味があり、何かあったら電話してね。来るから。
食事に関して、
食べたいものは?
魚の煮付けと
魚の塩焼きと、
魚の….。本当に魚好きねと笑うとAさんも笑う。
魚はご馳走と言われていたAさん。
ご家族がもってこられた果物類も好物。
ご家族もあれがいいか、これがいいかと悩みながら買ってこられ。
美空ひばりの曲を流しながら、
よく歌ったよと。あの時は楽しかった。
60代は沢山カラオケや踊りや、
旅行を近所の気の合う人と楽しんだと、
写真を見せてもらいながら話したっけ。
うつらうつらしながら、
心配ないですよ。皆んなすぐ来てくれる。
排泄は、つい最近まで自分でトイレにいくと倒れかけそうになりながらも、おトイレでしていたけど、力がなくってきた。
お風呂は、ご本人にたずねて入ると。
入った後はぐったりされる方が多いけど、スッキリとした表情。気持ちよかったと。
起きたいと車椅子で皆んながいるホールへ。
バイタルは、体温37度代、血圧は100~130代、脈拍90代 酸素飽和度は88% 呼吸数32~34回/分。肺の空気の入りも浅くなりつつある。
最近、
飲み込みが心配になってきてるので、
歯科医に診てもらって、
ヘルパーも支援員も、栄養士も相談員も看護師もまなぶ。
口腔ケア、食事の提供の仕方の確認。
頭の角度。誤嚥しないように姿勢は大事。
食事前後は口腔ケア。
看取り時期は必ず歯科医に関わってもらおうと相談員と話す。
その都度、のどが渇くみたいで、「水ちょうだい」と。
呼吸も回数が増え、肺への空気の入る量も減ってきている。
飲み込む時は呼吸を止めているので、一気に飲むと苦しいので、一口ずつこっくんと飲み込みを確認しながら提供しましょう。
この時期は、大きく体位は変えなくてよいよ、マトレスとベッドを変えてる。
呼吸を楽に身体を楽に、
ほんの少しの除圧で苦しくないように。
グローブで背抜きしたり、
服のシワ伸ばしもしましょう。
クッション入れた後、最後は身体を優しくなじませて。
ポジショニング表の更新。
看取り期は、
細かな変化で日々ケアの内容が変わってくる。ふせんで変わったらケア表を更新。
関わるスタッフは多職種。ひとりではない。
一つ一つをわかりやすく、伝える工夫が必要。写真や動画をみんなでとり、確認することから。ポイントのマニュアル作成。
看取り期に携わると、日々チームになってきてる一体感があります。
みんなのそれぞれの案が出てきたり。気づきを伝えあったり。いい感じ。
感謝しかないですね。
Aさん、そろそろお迎えの時期になってきています。