【心友のお父さんの旅立ち】

私と同じ年の心友のお父さん。

数年前に、「親父おかしな行動をするんよ。どうしたらいい?心配」と相談があり。

認知症かもしれない。休み合わせて病院に一度調べに行こう。

私の尊敬する認知症の専門医に受診。

私: お父さんへ「心配なことはありますか?」

お父さん:「時々頭が混乱して、忘れる事があるんですよ」

「じつは最近、車を処分したんです」

その後、診察室に呼ばれ、医師に会い、

どうしましたか?と問われると、

「いやー特に」とどう答えていいかわからずお父さん答える。

CTを撮り、認知症のテストをする。

結果、医師より、

側頭葉も海馬もまだ大丈夫。

他に脳に梗塞もないし大丈夫。

ただの物忘れレベルです。

しかし今が大切。

糖尿があるようだから、内科のかかりつけ医には定期的に受診を。

今のやりがいは?介護サービスは?

まだ今なら、楽しみを生活に入れたらいいですね?

医師の説明。

診察室から出て、少し混乱している

お父さんに、病気ではなかったことを再度お伝えすると、ホッとして満面の笑顔。

お父さん何か楽しみにしていることはないですか?

「庭いじり

バラの花があるんですよ。

でも誰も褒めてくれなくて。」

息子である心友につげる。

その心友、私が出会った頃は、

若い頃から、お父さんとのワダカマリがあるような感じで。素直に全部を受け止める感じではなかった。

でも、弱っていく父親の姿を見ながら、釣りに行ったり、いろんなところに連れて行ったり、昔の職場に連れて行ったり。

お父さんに久しぶりにお会いした時、

息子が仕事場に連れて行ってくれたんですよと笑顔。

働いていた頃の話を遠くに眼差しを置き思い出しながら、それでいてキリッとした表情や笑顔になったり。

いい顔してる。

過剰なくらい心友はお父さんに尽くす。

昔からのお父さんとの距離を埋めようとしているのか?

前年から骨折や、間質性肺炎で大変な思いをしていて、最期はインフルエンザにかかり病院に入院。

息子も病院に泊まり、

看護師さんなどの対応や

病院からの説明に戸惑いを受けながら、

苦しいからモルヒネうつっていうんよ。

大丈夫かね?と電話相談あり。

呼吸が苦しそう。

苦しみを和らげるためにすることを説明。

息をひきとった夜も心友は、

病院に泊まる。

メッセンジャーで

心友より、

「病室に着いたらナースのマイナス発言にイラっときたので引き取ってもらった。

さて、息子の私に出来ること。

人を元気にするというお経を唱えることと、エッセンシャルオイルのマッサージをする。

後悔したくないからね。

聞いてるかどうかわからないけど親父にはどんどん数値が良くなってるねーってずーっと声かけ続けてる。

俺生まれ変わってナースになろうかな。言葉がけて人を元気にするナースになろうかな。」

夜間泊まりながら、実況中継。

途中で寝てしまい、朝目が覚めたら…。

「さっき眠るように逝ってしまった」

とメッセージ。

最期は息子に見送られたお父さん。

いろんな形がある。

最後の看取り方。

私は看護師として、

沢山お看取りをしてきたけど、

こんな最期までトコトンつきあった

息子はあったことないな。

今は亡きお父さんが大切にしていたお庭を見ながら、息子は思い出す。

親父はこの庭をどんな思いでつくっていたのか?

居なくなってからの時間も

まだゆっくりお父さんとの時間が流れてるんだな。

そんな貴方の温かい心が、私はとても大好きです。

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